カディス県の町 |
地中海と大西洋を擁するという贅沢な立地であるカディス県。その美しい海岸線にはビーチリゾートが続きます。海でゆっくり過ごす、というプランも良いでしょう。
一方、内陸には「グラサレマ山脈自然公園」や「ロス・アルコルノス自然公園」があり、その豊富なトレッキングコースなど、山派の人も困ることはありません。
また、マラガ県以上に「白い村」が多く、その風光明媚な景観を楽しむことができます。
世界遺産こそないものの、県都カディスはヨーロッパ最古の町とも言われ、海に囲まれた旧市街を散策するだけでも、古い町の雰囲気を感じ取ることができるでしょう。
県都カディスよりも有名な町はヘレスです。アンダルシアの名馬やシェリー酒の産地として世界中に知られています。王立乗馬学校の馬術ショーやシェリーワイナリー巡りを堪能しましょう。
| CÁDIZ カディス |

海に囲まれたカディス。
当初は小島で、土砂の堆積などによりイベリア半島と結びつき、今のような形になりました。紀元前11世紀ごろフェニキア人によって造られた、イベリア半島で最も古い町のひとつ「ガディル」がこの町の起源となっています。
その後ローマ帝国、西ゴート王国、イスラム勢力の征服を受けましたが、13世紀半ばにアルフォンソ10世がカディスを奪い、キリスト教徒統治に戻ります。
大航海時代、かのコロンブスはカディスの港からも旅立っています。
1717年セビリアの川が氾濫し港の機能がストップすると、代りにカディスの港が利用されるようになり、アメリカとの貿易を独占することになります。
1805年にヴィルヌーブ率いる西仏連合艦隊がトラファルガー沖へ向けて旅立ったのもこの港です。
また、1812年スペイン独立戦争の最中、唯一の非占領地だったカディスに召集された国民議会で、スペイン初の憲法が制定されました。
スペインに戻ったブルボン王家はこの自由主義憲法を解さず、2年後には無効とされましたが、それは後々の自由主義の旗印となりました。
こうした歴史的経緯もあり、その後もカディスは自由主義運動の発端となりました。
現在は造船業が盛んな港湾都市となり、また港は重要な漁港でもあり、カナリア諸島などスペイン各地への船便も出ています。
毎年2月頃のカーニバルでは歌劇のコンクルールも行われ、町は大いに盛り上がります。
基本情報
カディス県都、人口約127,000人、面積13.30㎢、北緯36.32度
主な姉妹都市…ハバナ(キューバ)
観光名所
・カテドラル(大聖堂)
・ポニエンテの塔
・カディス博物館
・タビラの塔
・サンタクエバ礼拝堂
・サンタカタリーナ城
・カディス市庁舎
アクセス
鉄道
マドリッドから約4時間30分
セビリアから約2時間
へレスから約45分
バス
バスターミナル(鉄道駅に隣接)
マドリッドから約8時間
セビリアから約2時間
へレスから約45分
郷土料理
魚介類
祝日
2月12日 カーニバルの月曜日(2024年)
10月 7日 ロサリオの聖母
| ARCOS DE LA FRONTERA アルコス デ ラ フロンテーラ |

迷路のような白壁の道を抜けると、どこからも素晴らしい眺望が開けてきます。中でもカビルド広場の展望台からの眺めは絶景です。
また「カサ・ルラール(Casa Rural)」と呼ばれる、アンダルシアの典型的な家を改装してペンションにしている宿が多くみられ、断崖絶壁からすばらしい眺めが見られる最高のロケーションに、スペインの国営ホテル、パラドールもあります。
毎年、聖週間の最終日にはミニ「牛追い祭り」が催されます。
基本情報
人口約31,000人、面積528㎢、標高185m、北緯36,45度
観光名所
・サンタマリア教会
・サンペドロ教会
アクセス
バス
へレスから約30分
セビリアから約2時間
| EL GASTOR エル ガストール |

喧騒のない、隠れた小さな白い村をお探しの方に是非おすすめの町です。
オルベラやロンダなど、近郊の白い村を巡るついでに、時間に余裕があれば寄ってみるのもよいでしょう。
山道が狭くドライブするにはひと苦労。天候の悪い日は無理をしていかないようにしましょう。
基本情報
人口約1860人、面積28㎢、標高590m、北緯36,51度
| EL PUERTO DE SANTA MARÍA エル プエルト デ サンタ マリア |

伝説によると、紀元前12世紀末のトロイ戦争に参加したアテネ王ネステオは、帰国してみると王権を奪われていたため、目的地のない航海に出て、たどり着いたグアダレテ川河口、現在のEl Puertoに町を造ったといいます。
1260年アルフォンソⅩによる国土回復後、現在の町称となりました。
その後、グスタマン家(現メディナセリ公爵家)、大航海時代には、新大陸との貿易で儲けた裕福な貿易商人たちがこの町に住み「100の宮殿を持つ町」と呼ばれました。
1729,30年には国王フェリペⅤもここで夏を過ごしました。また独立戦争中はフランス軍の駐屯地となりました。現在はアメリカ海軍とNATOの基地がおかれています。
基本情報
人口約88,000人、 面積 160㎢、北緯36,59度
姉妹都市 ブライトン(イギリス)
観光名所
・サンマルコ城
・闘牛場
・マジョールプリオラル教会
・旧魚市場
・ライオンの家
・ボデガ(酒蔵)
・ドーニャブランカ城
アクセス
鉄道
へレスから約10分
セビリアから約1時間15分
セビリアから約1時間30分
へレスから約15分
| GRAZALEMA グラサレマ |

カディス県内でも標高の高い位置にある「白い村」グラサレマは、スペインで最も美しい村の一つ。グラサレマ山脈自然公園の中程にあり、特にアルコスからのドライブは、途中の山道や峠の素晴らしい景観を楽しむことができます。
大西洋からの湿気を含んだ海風が山肌にあたり、南側にある町に多くの雨を降らせるため、スペインで最も降雨量が多いことでも知られています。その豊富な水を利用して、昔から毛織物業が盛んで、今でもその名残として、町にはその羊毛から作られた毛布やショール、バッグなどを扱うお店が見られます。
「白い村」としては、マラガ県内の地中海付近のそれよりはずっと地味です。そのこぢんまりとしたところにグラサレマの良さがあります。
基本情報 ![]()
人口約2,100人、標高913m
アクセス
マラガとウブリケ間を結ぶ路線バスがあり、途中ロンダにも停まるが、1日2本のみ。
レンタカーやタクシーなどで効率よく近郊の白い村と合わせていくつか廻ることをお勧めする。
・ロンダ→グラサレマ:12:30→13:00、18:15→19:00
・グラサレマ→ロンダ:8:00→9:00、16:00→17:00
| JEREZ DE LA FRONTERA ヘレス デ ラ フロンテーラ |

世界的に有名な「シェリー酒」の産地。
街中を歩いていると点在するボデガ(酒蔵)からお酒の匂いがしてきます。
またヘレスは、名馬でも有名です。
16世紀にこの町の外れにあるカルトゥーハ修道院で馬の交配が行われ、有名な「カルトゥハノ」種が誕生しました。その後歴代の王族たちはこぞってこの地に良馬を求めにやってきました。
1973年には王立アンダルシア馬術学校が創設され、馬術騎手養成や「カルトゥハノ種」の血統選抜にあたっています。
毎年5月初めに行われる春祭りはその名も「フェリア・デル・カバージョ」(馬市)と呼ばれ、お祭りだけではなく、馬術競技や馬の品評会も催されます。
9月のブドウ収穫を祝う「秋祭」ではフラメンコなどの催しが開かれ、月末に騎馬行列で締めくくられます。
フラメンコでも有名なこの町では、2月末から「フラメンコフェスティバル」が約2週間続き、フラメンコの短期講習、コンサート等の様々なイベントが開催され、世界各国からフラメンコファンが集結して賑やかになります。
基本情報
人口約210,000人、面積1,188㎢、標高56m、北緯36,42度
観光名所
・各ボデガ(酒蔵)見学
・王立アンダルシア乗馬学校
・アルカサル+カマラ・オスクラ
・大聖堂
・フラメンコセンター
・馬車博物館
・時計博物館
アクセス
空港
市外北東約8km。カディス県唯一の旅客機発着空港。
鉄道
マドリッドから3時間40~50分
セビリアから1時間10分
カディスから40~50分
バス
マドリッドから7時間15分
セビリアから1時間15分
郷土料理
ベルサ、リニョネス・デ・ヘレス
| SANLUCAR DE BARRAMEDA サンルーカル デ バラメダ |

13世紀末から17世紀前半まで領主だったグスタマン家(現メディナ・シドニア公爵家)がこの町の開発に努め、彼らの残した荘厳な宮殿や修道院は今でも町の所々に残っています。
その後、町は王権のもとにおかれ、19世紀以降は王族や貴族の別荘地、20世紀以降はセビリアのブルジョワ階級のそれとなりました。温暖な気候と新鮮な魚介類がその主な一因です。
1845年に始まった毎年8月に行われる「ビーチ競馬」も見物となっています。
またドニャーナ国立自然公園のカディス側の入り口でもあります。
基本情報
人口約65,800人、面積175㎢、標高30m、北緯36,46度
観光名所
・ドナーニャ国立自然公園ビジターセンター(ファブリカ・デ・イエロ)
・サンティアゴ城
アクセス
バス
セビリアから約1時間30分
へレスから約30分
| SETENIL DE LAS BODEGAS セテニル デ ラス ボデガス |

グアダルポルクン川渓谷にある小さな白い村、セテニル。
一番高いところにある要塞跡から、町は下にある川に向けてカーブを描くように広がっています。
岩を掘ったような自然の地形をうまく利用し、その岩の上下に住居が造られました。岩肌がそのままむき出しになったバルの壁があったり、道の上が岩で塞がれているところがあったり、、、数ある白い村の中で、こんな一風変わった景観を持つのはこの町だけでしょう。
アンダルシアには洞窟住居は数か所にありますが、ここのように自然の形をそのまま利用したタイプは珍しく、まさに必見の白い村です。
基本情報
人口約3,000人、面積82㎢、標高640m、北緯36,51度
アクセス
バス
へレスから約2時間
ロンダから約30分
| ZAHARA DE LA SIERRA サハラ デ ラ シエラ |

グラサレマに隣接する小さな白い村、サハラ。
サハラとは旧スペイン語で「不毛」の意。
この付近の山が「はげ山」であることから付けられた...
または、アラビア語で「オレンジの花」を意味する語からくるほど、柑橘系の木々がたくさんあった土地であった.....など、いろいろな説があります。
町の最頂地点には、小さいながらも13世紀の城跡が現存し、レコンキスタを二度も繰り返したこの町の歴史を感じさせてくれます。
基本情報
人口約1,500人、面積72㎢、標高500m、北緯36,50度







