ウエルバ県の町


アンダルシアで一番西にあるウエルバ県は、ポルトガルとの国境、そしてセビリア県のとなりに位置しています。アルメリアと同様、日本の方には一番馴染みのない県かもしれません。

県内で一番人気は「コスタ・デ・ラ・ルス・ウエルバ」と呼ばれる150kmほどの海岸線。ここは「白い砂」の綺麗なビーチが多いことで知られ、毎年多くのリゾート客で賑わっています。

その他にも、巡礼の町として知られる「ロシオ」があったり、1492年にコロンブスが初めて新大陸に向けて旅立ったのもこのウエルバ県の小さな港パロスからでした。
また、ユネスコ世界自然遺産に登録されている「ドニャーナ国立公園」の西の入口でもあり、湿地帯から砂丘まで見ることができます。

ウエルバ▶︎
アラセナ▶︎
パロス▶︎
 

    HUELVA ウエルバ

ウエルバ市内には残念ながら特出したモニュメントがなく、日本人の観光客は殆ど見かけませんが、散策するときのポイントとなる名所をいくつかご紹介しておきます。

コロンブスに興味がある方ならば、是非、ゆかりのあるシンタ聖母教会まで足を延ばしてみましょう。後ほどご紹介する「パロス・デ・ラ・フロンテラ」まで足を運ぶ方は、ウエルバ市内と半日ずつに分けて観光するとちょうど良いでしょう。
お食事にはウエルバ 名産の"Gamba Blanca=白エビ"をはじめとしたシーフード料理をお勧めしますが、県内には美味しい生ハムの産地もいくつかありますし、山の幸も楽しむことができます。

また、大西洋に面したウエルバ県内の海岸線は111km。アンダルシア自治州内ではカディス、アルメリア、マラガについで海岸線の長い県となります。そこはコスタ・デ・ラ・ルス(光の海岸)と呼ばれ、ウエルバの町からはポルトガル方面へと約50kmほど続いています。
夏には海水浴に訪れる人々で道が大変混雑します。レンタカーやバスをご利用の方は、運が悪いと大渋滞に巻き込まれることもありますのでご注意ください。

基本情報
ウエルバ県都、人口約145,000人

観光名所 
 Santuario de Nuestra Señora de Cintaシンタ聖母教会

15世紀のゴシック・ムデハル様式を基本としている白壁の美しい教会。
1493年3月、コロンブスが新大陸到達から帰国した際、この町の船乗りが厚く信仰していたこの教会の聖母像に祈りを捧げるためにやってきたという。
中心部から3km弱北側にある。
<基本情報>
月〜金:9:00〜13:00, 16:00〜19:00
週末・祝:9:30〜13:00, 16:30〜19:00

 La Casa Colónコロンブスの家

1883年、鉱物資源でウエルバが繁栄していた時代に要人を迎える高級ホテルとして建築された。
大陸発見400周年を機にリオティント社が使用していたが、1986年にウエルバ市がオーナーとなり、現在はコンベンションセンターとして利用している。ヴィクトリアン調とモデルニズモが融合した時代を偲ばせる建物である。

 Monumento a Cristóbal Colónコロンブスのモニュメント
2011年1月20日にLas Monjas広場に置かれた約3mのブロンズ像。カスティージャ王国の旗を掲げ、ウエルバの守護聖母シンタのメダルをかけている。この像があるLas Monjas広場を中心に繁華街となっている。

 Catedral de la Merced:メルセ大聖堂

17世紀にメルセ修道院の一部として建設された。ルネッサンス・バッロク様式を基調としている。1755年のリスボン大震災の後も1765年、1969年と震災の被害を受けて修復された姿が現在のもの。横長に続く元修道院の建物は、ウエルバ大学本部として使われている。

 Plaza de Toros La Merced:メルセ闘牛場
1984年、昔の闘牛場があった場所に復活したもの。約7500人収容。
8月頭のコロンビアナス祭の時に闘牛がここで行われる。

 Muelle de Riotinto:リオティント桟橋


市北70kmにあるリオティント鉱山をスペイン政府から買収してできたリオティントカンパニーが造った。この桟橋の開発により、銅をここまで鉄道で運び、直接船積みすることができるようになった。1874年から1世紀ほど使われていた。2007年に修復され、重要文化財に指定された。地元民が釣りや散歩をしている姿が見られる。

Monumento a la Fe Descubridora:発見のモニュメント

1929年4月21日アメリカから寄贈された 。パリのロダンの弟子であったN.Y.のGertrude V.Whitneyの作品で全長37m。コロンブスがフランシスコ派のシンボルであるT字型の十字架を支えている。基盤には南米先住民族をはじめ4大陸の民族の彫刻。正面から内部に入ることができ、カトリック両王の像などが置かれている。  
<基本情報>
土曜日のみ:10:00〜13:00
料金:無料

アクセス  
バス 
セビリアから約1時間15分

電車 
・マドリードからALVIA, INTERCITYで約4〜4.5時間 
・コルドバからALVIA, INTERCITYで約2〜2.5時間
・セビリアからMDで約1.5時間
時刻や予約は日本語ならレイルヨーロッパから。現地鉄道会社RENFEのサイトからも可能なはずだが、日本で購入しようとするとエラーが出る場合もあると聞く。

祝日
8月3日 コロンビナスの日
9月8日 シンタの日

    ARACENA アラセナ



ウエルバの北、アラセナ山脈の中心地である小さな町、アラセナ。
アンダルシアの乾燥しているだけのイメージとは裏腹に、緑豊かな自然が広がっています。
本当に小さなかわいい町という感じで、一日のんびりと過ごしたい方にはぴったりの町です。

アラセナ山脈一帯は国立の自然公園になっており、高台に上ると見渡す限りコルク樫やコナラ、栗の木の森が続いています。その恵まれた大地の恵みを受けて育ったイベリコ豚やキノコ類がアラセナの特産物です。

なかでもコルク樫の原生林でどんぐりを食べながら育ったイベリコ豚は、最高級生ハム「ハモン イベリコ デ ベジョタ」といわれ、芳醇な香りと、口に入れた瞬間のとろけるような食感は、まさに絶品!!
一度食べたら忘れられない味です。
町のレストランではイベリコ生ハムはもちろん、煮込み料理などのおいしいイベリコ豚料理が味わえます。

そして、生ハム祭りが毎年秋に催されます。イベリコ生ハムをはじめ、チーズやオリーブオイルを売るテントと、食事用の特設会場ができ、そこで生ハムをつまみながらお酒み楽しむ人で毎年賑わいます。
生ハムの歴史や製造工程に興味を持った方は、生ハム博物館に行ってみるのもいいでしょう。

そしてアラセナのもうひとつの魅力、それは「マラビージャ鍾乳洞」です。
鍾乳洞は2kmにもおよび迷路のようになっているため、道案内および中の説明をしてくれるガイドとともに中に入ります。中は予想以上に広くいくつものゾーンにわかれ、ゾーンごとにそれぞれ異なる神秘的で美しい表情を見せてくれます。

基本情報  
人口約7,600人、標高732m

観光名所
マラビージャ鍾乳洞
生ハム博物館
ラス カルメリータス修道院
プリオラル デル カスティージョ教会

アクセス 

バス 
セビリアから1時間30分

特産物

生ハム、きのこ類


    PALOS DE LA FRONTERA パロス デ ラ フロンテラ



コロンブスが新大陸発見への最初の航海へと旅立ったのが、ここパロス・デ・ラ・フロンテラです。

1492年8月3日この町出身の船乗り、ピンソン兄弟を2隻の船長にし、合計3隻のカラベラ船でまだ見ぬ未開の土地を目指して出航していったのです。

港があった辺りから約4kmのところに1993年にオープンしたカラベラ船桟橋。そこで航海に使った3隻を実物大で見ることができます。船の周りはその当時の雰囲気を再現して作った港や市場、バル(居酒屋)があり、実際にそこでビールやコーヒーを飲むこともできます。やはりこのカラベラ船をみると、コロンブスが処女航海に出て行ったイメージがぐっと湧いてきます。

町のはずれに、航海のための飲料水を汲んだ井戸が残されています。今は埋め立てられ港はなくなっていますが、当時はこの井戸の近くに港があり、コロンブスはそこから出航、そして新大陸を発見し、約7ヵ月後の1493年3月15日に再びこの港に戻ってくることになります。

コロンブスの航海を実現するために、とても重要な役割を果たしたのが「ラビダ修道院」です。
スペインに初めて辿り着いた時も、そして新大陸への出航前の2年間、コロンブスはこの修道院に客人として滞在し、航海の準備やルートの最終調整が行われました。

基本情報 

人口約10,900人、姉妹都市:大船渡市

観光名所 
Muelle de Carabelas:カラベラ船埠頭

<基本情報>
6/16〜9/15
火〜日:10:00〜21:00
9/16〜6/15
9:30〜19:30
休:月曜
料金:3.60€

 Monasterio de La Rábida:ラビダ修道院


<基本情報>
冬:火〜日:10:00〜13:00, 16:00〜18:15
夏:火〜日:10:00〜13:00, 16:00〜19:00(8月の午後は16:45〜20:00)
休:月曜
料金:3€ *英語オーディオガイド料金が含まれている。

 アクセス 
 バス
ウエルバから約30分
*カラベラ船埠頭やラビダ修道院へは、ウエルバから約20分のラビダで下車。そこから修道院へは徒歩5分、カラベラ船埠頭へは更に歩いて10分ほどかかる。


アルメリア県の町