気候と服装

 
スペインの気候をみていく前に、地理的な構成を確認しておきましょう。

日本の1.3倍以上の広大な土地を持つスペインは、イベリア半島の80%以上を占め;
  ポルトガル、アンドラ公国、フランス、モロッコの4カ国と国境を接している。
  3つの海(地中海、大西洋、カンタブリア海)に囲まれている。
  フランスとの境にはピレネー山脈を擁す。

本土の他には以下にも土地がある:
  地中海沖:マジョルカ島やイビサ島でお馴染みのバレアレス諸島
  アフリカ沖:カナリア諸島
  アフリカ大陸:2つの自治都市、セウタとメリージャ

となると、気候も地域によって随分と違ってくるのは当然のこと。

 

気候について

 
スペインは北から順に、次の4つの気候に大きく分けられます。

西岸海洋性気候
スペイン北部、カンタブリア海から大西洋にかけてのバスク〜ガリシア地方。夏はスペインの中では比較的過ごしやすい気温だが、降水量が多く、夏でも雨が普通に降る。

大陸性気候
スペイン内陸部、マドリードを中心とした、アラゴンの一部、カスティージャ・レオン、ラ・マンチャ、エクストレマドゥーラ、アンダルシアの一部etc.海から遠い地域。真夏は40度を超える日も多いが湿度が低く、6月半ば〜9月頭くらいまでほとんど雨が降らない。冬は湿度が高く、一年を通して最も雨が多い季節。寒さも厳しく、雪が降るところもある。一日の寒暖の差が激しい。

地中海性気候
アンダルシアの地中海側、バレンシア、カタルーニャ地方の一部、バレアレス諸島。真夏も40度を超えることはなく、多少雨も降り、特にバルセロナ辺りは湿度も高くなる。また冬は山岳地帯を除き雪が降るほど寒くはならない。

亜熱帯気候
カナリア諸島。年間を通して降水量は少なく、夏も暑過ぎず冬も比較的暖かく、スペイでは、アンダルシアのコスタ・デル・ソルと同じく、最も過ごしやすい気候と言われる。


服装のアドバイス

 
基本的には、日本の四季に合わせた同様の服装で問題ありません。
但し、先に気候のところで紹介した通り、訪問地域によって多少異なります。
春と秋は気候が変わりやすく、朝晩の気温の差が非常に激しいことも。
以下、季節別の服装アドバイスです。

春:プリマベラ(Primavera)
3月〜5月半ばまでは、秋と同様、スペイン旅行に最も適した季節。
この時期は特に、日本と違い寒暖の差が激しいところが多いので注意。日中は夏のようだったのに、翌朝は冬に逆戻り、なんてこともよくありがち。もちろん雨も降る日がある。
地元では半袖に革のジャケット、という、夏と冬を組み合わせたような服装もよく見かける。
ウルトラライドダウンのような、何かしら防寒対策を忘れずに。

夏:ベラーノ(Verano)
内陸部の海から離れたところ(特にマドリードとその近郊、ラ・マンチャ、アンダルシア、エクストレマドゥーラなど)は酷暑となり、雨がほとんど降らず、日中は優に40度を越える。日差しが非常に強いので、肌を覆うような工夫をすると、日焼けだけでなく冷房対策にもなる。湿度が低く、朝晩は気温が下がるので、羽織るものを忘れずに持って行こう。なお、この時期の観光はなるべく午前中に済ませるのが賢い。サマータイムで日が長くなり、22時ごろまで明るい。気温が一番高いのは16〜19時ごろ。 

 秋:オトーニョ(Otoño)
春と同じく比較的過ごしやすい。夏に雨の降らない内陸部でも、9月頭ごろから少しずつ雨が戻ってくる。
年によっては残暑が厳しく、10月にまだ屋外プールに入れた年もあったほど。
春と同様な服装対策で。

 冬:インビエルノ(Invierno)
マドリードやグラナダなど、標高の高いところは、東京より冷え込むような寒さとなり、雪が降る日もある。一般的に、この時期が一番降雨量が多い。防水タイプの靴を一足入れておくと安心。



ガタ岬アルメリア