ハエン県の町

マドリッドからスペイン版新幹線AVEでアンダルシアへ下ってくると、峠を抜けて先ずはここハエン県に入ってきます。アンダルシア8県中最もオリーブ畑が多く、見渡す限りのオリーブ畑は「オリーブの海」と表現されるほど。スペイン全体の約25%、アンダルシアの約42%のオリーブ畑を擁し、オリーブオイルの生産量は、全世界の約20%、スペイン全体の約50%を誇るほどです。

大自然にも恵まれ、県全体の約5分の1が自然保護区に指定され、4つの自然公園にはトレッキングコースなども豊富。またアンダルシア最長のグアダルキビル川の水源は、ここハエン県のカソルラ山脈にあります。  

2003年には「ウベダバエサのルネサンス様式の記念碑的建造物群」がユネスコ世界文化遺産に指定され、初期スペイン・ルネサンス時代の美しい建造物や、中世のまま止まってしまったような、他のアンダルシアの町には見られないような街並みを堪能することができます。

グラナダやアルメリアと同じく、ハエンのバルではドリンク1杯にタパスが付いてくるのが嬉しいところ。せっかくですから地元のオリーブを使った料理を試してみましょう。

ハエン▶︎
バエサ▶︎
ウベダ▶︎


    JAÉN ハエン



町はサンタカタリナ丘陵の麓に位置し、見渡す限りオリーブ畑に囲まれています。 イスラム時代の要塞「サンタカタリーナ城」は町の至る所からみることのできるシンボル的な存在。 その高さから街と周辺の渓谷の展望を堪能しましょう。隣接のホテル・パラドールで食事やカフェを楽しむこともできます。

丘の麓に広がる旧市街の見所は、全て徒歩圏内。中でも、16世紀以降にルネサンス様式を基本に造られた「ハエン大聖堂」は外せません。この辺りを散策すると、当時から19世紀までの宮殿跡を改装した豪華な石造りの建物が目を惹きます。

北に上がっていくと10世紀の「アラブ浴場」があり、これはスペインに現存する中で一番規模の大きいものとして知られています。


基本情報 

ハエン県都、人口約112,000人、面積425㎢、標高573m、北緯37.46度

観光名所 

・ハエン大聖堂
・サンタ・カタリナ城
・アラブ浴場

アクセス 

鉄道
マドリッドから約4時間
セビリアから約2.5~3時間

バス
マドリッドから約7時間30分~8時間40分

祝日

6月11日 ビルヘン・デ・カピージャの日
10月18日 サン・ルーカスの日

    BAEZA バエサ

迷路のような旧市街の散策をしていると、石畳の道を踏む自分の足音が心地よく聞こえてくる...そんな静かで、中世の面影の遺る町バエサ。
アンダルシアでは最も早い1227年にカスティージャ王国の支配下に入ったため、街並はカスティージャ地方に近いものがあり、他のアンダルシアの町とは一風違う雰囲気を持っています。

16世紀に織物産業で栄え、地元の貴族たちは、当時流行だったイタリアからのルネッサンス様式で宮殿や教会、広場をつくらせました。その後の町の衰退が、逆に当時の街並みを現在にまで保存することになったのです。
そんな保存状態の良いルネサンス様式の建物が、近隣のウベダのそれとともにユネスコ世界遺産に登録されています(2003年)。

ツーリストインフォメーションのあるポプロ広場を基点として、大聖堂サン・フェリペ・ネリ神学校のあるサンタマリア広場ハバルキント宮殿旧大学のあるサンタ・クルス広場など、約300mの範囲に見所が凝縮されています。
普通のペースなら半日ほどで回ることができるでしょう。

基本情報 

人口約15,800人、面積194㎢、標高769m、北緯37,59度

観光名所

・バエサ大聖堂
・ババルキント宮殿
・旧大学
・サンタクルス教会
・ハエン門

アクセス 

バス 
ウベダから15分
ハエンから約1時間
グラナダから約2時間

    ÚBEDA ウベダ



キリスト教では、カルメル修道会の聖人「十字架のヨハネ」が没した地として知られているウベダ。
16世紀のスペイン王カルロス1世の宰相、ウベダ出身のフランシスコ・デ・ロス・コボスの時代に建てられた数々の美しいルネサンス様式の建築物が、今でも素晴らしい保存状態で残っています。それらが、バエサの建築群と共に2003年ユネスコ世界遺産に登録されました。

先ずは見晴らしの良い「バスケス・デ・モリーナ広場」へ。
エル・サルバドール聖堂デアン・オルテガ宮殿(現パラドール)、市庁舎サンタ・マリア・デ・ロス・レアレス・アルカサレス教会マンセラ侯爵宮殿など、石造りの豪壮な建築物が並んでいます。
エル・サルバドール聖堂を左手に見ながらまっすぐ進んだサンタ・ルシア広場からは壮大な「オリーブの海」の展望が楽しめます。

200mほど北のプリメロ・デ・マヨ広場には、オリジナルはロマネスク様式という、歴史あるサン・パブロ教会が目を惹きます。この近くには2007年に発見された「水のシナゴーグ」があります。

これらの旧市街の見所から1kmほど離れたところにある「サンティアゴ病院」は、その形から「アンダルシアのエスコリアル」とも呼ばれています。時間に余裕がある方は、ここまで足をのばしてみましょう。

基本情報 

人口約34,000人、面積397㎢、標高748m、北緯38度

観光名所 

・エル・サルバドール教会
・サンタ・マリア教会
・サンパブロ教会
・コボスの館
・水のシナゴーグ
・考古学博物館
・サンティアゴ病院

アクセス 

バス 
バエサから約15分
ハエンから約1時間
グラナダから約2時間


ウエルバ県の町